第IV部 防衛省改革 

1 最近の事案


1 給油量取り違え事案について1


 旧テロ対策特措法に基づき、03(平成15)年に海自補給艦「ときわ」が米艦艇へ行った給油の量について、海上幕僚監部(海幕)の担当課長レベルで重要な情報の取り違えに気付いていたにもかかわらず、上司への報告や内部部局への連絡が一切行われず、福田内閣官房長官(当時)および石破防衛庁長官(当時)が記者会見または国会において誤った数値を根拠に答弁した。
 これは、防衛省・自衛隊の事務処理のあり方に対する信頼を損ねると共に、文民統制の徹底を図る上で、次のとおり、極めて重大な問題であり、深刻に受け止めるべきものである。
1) 取り違えたことおよび報告が行われなかったことなど、防衛省内の事務処理が誤って行われたことは、文民統制の主体である防衛大臣に対する補佐が適切にできなくなることを示すものであること
2) 最終的な文民統制の主体である国会において、誤った数値を根拠にした答弁が行われたことは、国会による防衛省・自衛隊に対するコントロールが適切にできなくなることを示すものであること
3) 同時に、記者会見を通じて、直接、国民に対して誤った情報を知らしめたことは、文民統制の根幹にかかわる由々しき事態であること


 
1)<http://www.mod.go.jp/j/sankou/report/2007/1029a.html>参照


 

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