国際社会が一致して「テロとの闘い」を進めている中で、わが国としても、各国と連携しつつテロ対策を強化する必要があり、多様な分野での取組³を行ってきている。
　その中でも、インド洋において海自が行っている補給活動は、この海域で各国艦艇が海上阻止活動を実施する上での重要な基盤となっており、国際社会からも高い評価を受けている。海上阻止活動には、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどのほか、イスラム教国であるパキスタンも参加しており、昨年9月に採択された国連安全保障理事会決議第1776号においては、この海上阻止活動を含む不朽の自由作戦への多くの国の貢献に対して評価が表明されている。
　わが国は、01（平成13）年12月以降インド洋において、不朽の自由作戦の海上阻止活動に参加している各国の艦艇に対する燃料および水の補給を行ってきたが、この補給活動により、各国艦艇は燃料補給のために港に戻ることなく広範な海域において活動を継続することが可能となっている。また、洋上での補給活動は、補給を行う船と補給を受ける船が、並んで航行しながら実施するもので、高い技術と能力が必要とされるが、このような洋上での補給を長時間、安定的に供給できる国は限られており、海自による洋上での補給は、わが国に相応しい貢献であると言える。同時に、こうした海自の活動は、この地域の平和と安全に貢献し、資源の多くを中東地域に依存するわが国の国益にも資するものである。
　約6年にわたって旧テロ対策特措法に基づき実施してきた海自による洋上での補給活動は、各国からも大きな評価を受け、活動の継続が強く望まれたものであったにもかかわらず、昨年11月に同法が失効したことにより、補給活動を一旦中断せざるを得なくなったが、上記のような観点から、本年1月、国会において補給支援特措法が成立したことを受けて、防衛省・自衛隊として速やかにインド洋に海自艦艇を派遣し、2月以降再び補給活動を実施している。