第III部 わが国の防衛のための諸施策 

3 国際人道法の的確な実施の確保


(1)捕虜取扱い法8が制定され、武力攻撃事態における捕虜などの取扱いにあたって、常に人道的な待遇を確保するとともに、捕虜などの生命、身体、健康および名誉を尊重し、これらに対する侵害または危難から常に保護するための制度が構築された。

(2)国際人道法違反処罰法9が制定され、国際的な武力紛争において適用される国際人道法に規定する「重大な違反行為」が適切に処罰されることとなった。

(3)武力紛争の際の文化財の保護に関する法律が制定され、人類の貴重な文化的資産である文化財の国際的な保護に必要な制度が確立された。

(4)国際刑事裁判所に対する協力などに関する法律が制定され、国際刑事裁判所規程の的確な実施の確保が図られた。

(5)上記の個別の事態対処関連法制などにより必要な国内実施が行われることとなったのにあわせ、04(同16)年には、主要な国際人道法であるジュネーヴ諸条約10第1追加議定書11およびジュネーヴ諸条約第2追加議定書12が、07(同19)年には武力紛争の際の文化財保護関連3条約並びに国際刑事裁判所規程が締結された。


 
8)武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hogohousei/houan/youkou/040224_4.pdf>参照

 
9)国際人道法の重大な違反行為の処罰に関する法律
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hogohousei/houan/youkou/040224_5.pdf>参照

 
10)ジュネーヴ諸条約は、1)戦地にある軍隊の傷者及び病者の状態の改善に関する1949年8月12日のジュネーヴ条約(第1条約)、2)海上にある軍隊の傷者、病者及び難船者の状態の改善に関する1949年8月12日のジュネーヴ条約(第2条約)、3)捕虜の待遇に関する1949年8月12日のジュネーヴ条約(第3条約)、4)戦時における文民の保護に関する1949年8月12日のジュネーヴ条約(第4条約)、からなる。

 
11)1949年8月12日のジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書I)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/treaty159_11a.pdf>参照

 
12)1949年8月12日のジュネーヴ諸条約の非国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書II)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/k_jindo/pdfs/giteisho_02.pdf>参照


 

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