第I部 わが国を取り巻く安全保障環境 

2 信頼醸成措置(CBM:Confidence Building Measures)2


 欧州においては、89(平成元)年から信頼・安全醸成措置(CSBM:Confidence and Security-Building Measures)交渉が行われてきたが、92(同4)年の欧州安全保障協力会議(CSCE:Conference on Security and Cooperation in Europe)全体会議において、軍事情報の年次交換、一定規模以上の演習などの通報・査察・制限などを内容とする「ウィーン文書1992」が採択された3
 また、相互の査察飛行により、締約国の軍事活動の公開性と透明性を増進させるとともに、軍備管理の検証手段を補足するオープン・スカイズ条約4が、92(同4)年に25か国により署名され、02(同14)年1月に発効した。


 
2)偶発的な軍事衝突を防ぐとともに、国家間の信頼を醸成するとの見地から、軍事情報の公開、一定の軍事行動の規制、軍事交流などを進める努力が行われている。これらは、一般的に信頼醸成措置と呼ばれている。

 
3)その後、99(平成11)年には、地域的な信頼醸成のため多国間・二国間における措置の促進、軍事交流に関する情報の提供、装甲歩兵戦闘車や火砲などの参加規模による演習実施の制限などを追加した「ウィーン文書1999」が採択された。

 
4)査察飛行は、定められた種類のセンサーを装備した非武装の航空機により、査察国が策定し被査察国が了承した飛行計画に従って行われる。査察飛行により収集されたデータは、すべての締約国が入手できる。


 

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