第I部 わが国を取り巻く安全保障環境 

3 在韓米軍


 在韓米軍は、韓国の国防努力とあいまって、朝鮮半島の軍事バランスを維持し、朝鮮半島における大規模な武力紛争の発生を抑止する上で大きな役割を果たしている。
 現在、米国は、在韓米軍に関し、漢江以南への再配置を2段階で進めるとの合意(03(平成15)年6月)や約37,500人の人員のうち12,500人を削減するとの合意(04(同16)年10月)などに基づき、その態勢の変革を進めているが、人員については、本年4月の米韓首脳会談において、現在の28,500人を適切な規模として維持することで合意された。こうした変革の中、米国は、米韓相互防衛条約に基づき、在韓米軍の近代化に投資し、米韓連合軍の抑止力の維持強化に努めている。
(図表I-2-2-5参照)
 
図表I-2-2-5 在韓米軍の移転・再配置に関する合意

 米韓両国は、朝鮮半島における不測事態に対処する連合防衛能力を高めるために、連合演習を行っている。たとえば、後方地域における大規模な野外実動演習である「フォール・イーグル」が、本年3月、連合戦時増援演習である「キー・リゾルブ」と同時に行われた1


 
1)「連合戦時増援演習(RSOI:Reception, Staging, Onward movement & Integration)」は、本年から「キー・リゾルブ」に名称変更された。


 

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