2 アフガニスタンおよびその周辺におけるテロとの闘い
9.11テロ直後の01(平成13)年10月以来、米国は、各国とともに、アフガニスタンおよびその周辺において、アルカイダやタリバーンに対する軍事作戦を継続している。さらに、アラビア海などにおいては、各国の艦艇により、これらの残党の海路を通じた各地への逃亡とアフガニスタンからのテロの拡散を防止する努力が続けられている。
アフガニスタンでは、昨年以降、タリバーンなどが勢力を回復させていると見られ、不安定な治安情勢が継続している。特に、パキスタンと国境を接する南部および東部においては、米国主導の多国籍軍や、ISAF、アフガニスタン軍、警察のプレゼンスが強化されるにつれて、これらを主な標的とした自爆テロ攻撃や襲撃が多発している。また、従来は比較的治安が安定していた首都カブールや北部、西部でも爆弾テロなどが散発している。こうした状況を受け、多国籍軍とISAFは相互に連携をとりながら、南部および東部で大規模な軍事作戦を展開している。また、ISAFはカブールにある総司令部の下に5個の地域管区を置き、これらの地域管区司令部の下、アフガニスタン全土で25個の地方復興チーム(PRT:Provincial Reconstruction Team)が、各地で治安維持・復興支援活動などを実施している。なお、国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA:United Nations Assistance Mission in Afghanistan)による活動も引き続き行われている。
中央アジアに位置するウズベキスタン、カザフスタン、キルギスおよびタジキスタンは、9.11テロ後、米国などの対テロ作戦に対する協力を表明したほか、一部の国は、米軍などの駐留を受け入れ、テロとの闘いにおける後方基地の役割を果たしている
1。また、この4か国は、上海協力機構(SCO:Shanghai Cooperation Organization)の加盟国であり、この枠組みの下、テロへの共同対処を目的に設置された地域対テロ機構(RATS:Regional Antiterrorist Structure)についても、対テロ演習に参加するなど積極的に関与している。