第III部 わが国の防衛のための諸施策 

8 その他の諸国との防衛交流

 わが国は、先述の近隣諸国の他にも、多くの国々との防衛交流を行っている。防衛省は、国際社会におけるテロとの戦いで重要な役割を担っているパキスタン、ゴラン高原で共に活動してきたカナダ、アジア太平洋諸国の一員であるモンゴル、イラクにおける自衛隊の活動で関係するクウェート、アラブ首長国連邦、さらには、その他の欧州諸国やNATO:North Atlantic Treaty Organizationをはじめ、多くの国々とハイレベルの交流、実務者レベルの協議、留学生の派遣・受入れなどを行っている。
 また、部隊間の交流では、国際平和協力活動の派遣先における部隊相互の交流、艦艇の訪問などを活発に行っている。
 最近の主なハイレベル交流は、図表III-3-2-3のとおり行われており、多数の国々との緊密な協調関係の構築を図っている。
 
図表III-3-2-3 その他の諸国などとの交流(昨年以降)

 昨年9月、額賀長官(当時)はモンゴルを訪問し、ソノムピル国防大臣と、また同9月には、カナダのオコナー国防大臣と、会談を行った。10月には、久間防衛大臣が、ニュージーランドのゴフ国防大臣と、さらに本年
5月にはイタリアおよびベルギーを訪問し、それぞれパリージ・イタリア国防大臣、フラオー・ベルギー国防大臣、デ・ホープ・スケッフェルNATO事務総長と会談を行い、地域情勢や国際平和協力活動などについて意見交換した。
 なお、NATOとの間では、本年1月、安倍総理が、NATO本部:North Atlantic Treaty Organizationにおいて、デ・ホープ・スケッフェル事務総長と会談を行ったほか、NATOの意思決定機関である、北大西洋理事会(NAC:North Atlantic Council)に、日本の総理大臣として初めて出席し、演説を行っている8
 また、本年2月には吉川海幕長がニュージーランドを訪問し、レドソン海軍司令官と地域情勢及び防衛交流について意見交換を行った。
 実務者レベルの交流については、昨年5月にニュージーランドと、同年9月にパキスタンと防衛当局者間協議が行われたほか、本年2月には、陸幕及びパキスタン陸軍との間での協議が初めて実施された。
 
トゴー・モンゴル参謀総長と森陸上幕僚長(当時)

このようにわが国は、自由と民主主義といった国の基本となる価値観を共有する国々と交流することにより、世界レベルでの平和と安定に重要な役割を果たしている。
(図表III-3-2-4参照)
 
図表III-3-2-4 わが国の防衛交流(最近5年分)


 
8)北大西洋理事会(NAC)における安倍総理演説「日本とNATO:更なる協力に向けて」(仮訳)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/19/eabe_0112.html>参照

 

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