第III部 わが国の防衛のための諸施策 

2 イラク人道復興支援特措法と基本計画の概要

(1)イラク人道復興支援特措法の概要

 03(同15)年3月より安保理決議に基づいて国連加盟国がイラクに対して行った武力行使の結果を受けて、国際社会は、イラク国家の速やかな再建を図るため、イラクの国民による自主的な努力を支援・促進しようとする取組を行ってきた。
 イラク人道復興支援特措法は、わが国がこのような国際社会の取組に主体的・積極的に寄与するため、安保理決議第1483号などを踏まえ、人道復興支援活動および安全確保支援活動を行うこととし、もってイラクの国家の再建を通じて、わが国を含む国際社会の平和および安全の確保に資することを目的としている。
 また、この法律は、施行から4年で効力を失うが、必要がある場合、別に法律で定めるところにより、4年以内の期間を定めて効力を延長することが出来るとされた限時法であり、07(平成19)年7月31日でその期限が切れることから、政府は、イラクは今後数年間が国造りの鍵を握る重要な時期であり、イラクの復興支援に引き続き主体的に取り組む必要があると判断し、本年6月に09(同21)年7月31日まで法律の効力をさらに2年間延長する法律が国会で可決された。
(図表III-3-1-3参照)
 
図表III-3-1-3 イラク人道復興支援特措法における活動の内容

(2)基本計画の概要
 基本計画は、イラク人道復興支援特措法に基づきわが国が行う対応措置に関する基本方針、活動の種類・内容、実施区域の範囲などを規定したものである。政府は、03(同15)年12月、国際社会の責任ある一員として、わが国にふさわしい活動を行っていくべきと判断し、基本計画を閣議決定した。

参照>資料47

 基本計画に示された派遣期間は当初1年間とされていたが、イラク情勢を踏まえ、わが国の主体的判断として派遣期間の延長、陸自部隊の撤収や空自の国連支援任務などについて計7度にわたり基本計画の変更を行った。
 昨年12月の基本計画の変更においては、派遣期間が本年7月31日まで延長されたほか、クウェートにおいて陸自部隊の撤収に伴う後送業務を実施していた後送業務隊(昨年9月9日帰国)に関する記述が削除された。
 また、本年7月31日に、基本計画に示された派遣期間の期限を迎えることから、8度目となる基本計画の変更を予定している。
(図表III-3-1-4参照)
 
図表III-3-1-4 イラク人道復興支援特措法に基づく対応措置に関する基本計画の概要

 

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