第9節 国際連合などによる国際社会の安定化のための努力
1 全般
冷戦終結後、それまで十分に機能していなかった国連による平和維持の制度に対する期待が高まり、多くの国連平和維持活動(PKO:Peacekeeping Operations)が設立された。また、最近では、紛争に適切に対処するための方法として、アフリカ連合(AU:African Union)のような地域的枠組みによる取組(
1章参照)や、国連安保理決議により権限を与えられ、多国籍軍が治安維持や人道復興支援などにあたる例(
1章参照)もみられ、情勢安定に向け、さまざまな国際的枠組みが用いられるようになっている。こうした中、国連では、多様化する課題に効果的に対処できるよう、組織面を含めた国連の改革についての議論が行われている。21世紀の新たな諸課題に対して、国際社会が有効に対処するためには、国連の機構を実効性と信頼性を高める形で改革することが求められており、わが国としても、積極的にこれに取り組んでいくこととしている。