2 国防政策
インドは、国家安全保障政策として、国益を守るための軍事力および最小限の核抑止力の保持、テロおよび低強度紛争から通常戦争および核戦争までの多様な脅威への対処、テロや大量破壊兵器などの新たな脅威に対処するための国際協力の強化などをあげている。
核政策については、インドは、最低限の信頼性ある核抑止力と核の先制不使用政策を維持し、98(平成10)年の核実験の直後に表明した核実験モラトリアム(一時休止)についても継続するとしている。また、03(同15)年1月に公表された核戦略において、核兵器、ミサイル関連部品、技術輸出管理の継続と核分裂性物質禁止条約の協議への参加や核兵器のない世界を目指すコミットメントの継続への言及がある一方で、生物・化学兵器による攻撃を受けた際には、核による報復の選択肢を保持する旨定められた。
インド軍は、陸上戦力として12個軍団約110万人、海上戦力として2個艦隊約35万4,000トン、航空戦力として19個戦闘航空団などを含む作戦機約990機を有している。インドは、現在、空母1隻を保有しているが、新たに国産空母1隻の建造計画を進めるとともに、後述のように、ロシアから、空母1隻を改修後に導入することとしている。
(図表I-2-6-1参照)