資料9 衆議院議員土井たか子君提出「小泉内閣発足にあたって国政の基本政策」に関する質問に対する答弁書(平成13年5月8日提出)−抜粋− 

資料9 衆議院議員土井たか子君提出「小泉内閣発足にあたって国政の基本政策」に関する質問に対する答弁書(平成13年5月8日提出)−抜粋−

 小泉内閣発足にあたって国政の基本政策にたいする総理大臣ご自身の認識を知るため、次の問題を質したい。いずれも内閣総理大臣就任の前にも、自民党総裁選挙ならびに総裁就任時の記者会見での発言をめぐって疑義のある問題点であり、国政の基本問題として看過できない。
 したがって、次の事項について質問する。
一 小泉氏は集団的自衛権について、憲法解釈を変更して、その行使を認めることを検討すべきだとしているが、いままでの政府の見解はどうか。また、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を認めることは許されるのかどうか。あらためて小泉内閣の統一見解を問う。

一について
 政府は、従来から、我が国が国際法上集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上当然であるが、憲法第九条の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されないと考えてきている。
 憲法は我が国の法秩序の根幹であり、特に憲法第九条については過去五十年余にわたる国会での議論の積み重ねがあるので、その解釈の変更については十分に慎重でなければならないと考える。
 他方、憲法に関する問題について、世の中の変化も踏まえつつ、幅広い議論が行われることは重要であり、集団的自衛権の問題について、様々な角度から研究してもいいのではないかと考えている。

 

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