第6章 国民と防衛庁・自衛隊 

(Q&A)防衛研究所とは?

 防衛研究所は、4つの顔を持っています。

 第1の顔は、防衛庁のシンクタンク1としての顔です。安全保障について理論的な研究から各国情勢といった地域研究までの幅広い分野において政策的研究・分析を行い、防衛政策の立案に寄与しています。例えば、『東アジア戦略概観』などが刊行物として、広く部内外に提供されています。
 
東アジア戦略概観

 第2の顔は、国際交流の場としての顔です。防衛研究所では、各国国防研究機関の研究者などとの相互訪問、多国間安全保障セミナーの開催、留学生受入れなど、防衛交流を積極的に推進しています。例えば、アジア・太平洋諸国安全保障セミナーでは、域内約20か国の大佐、中佐クラスの軍人を招いて、地域の安全保障に関する意見交換を行っています。このような国際交流は、外国との信頼関係を作り出す上で重要であり、近年非常に重視されています。
 
アジア・太平洋諸国安全保障セミナー

 第3の顔は、教育機関としての顔です。近年、防衛庁・自衛隊の役割は、わが国の防衛に加えて、PKO、防衛交流など世界の安全保障環境の安定化への貢献といった分野にまで広がっています。このような環境に対応する人材を育成するため、幹部自衛官及び防衛庁・他省庁等の幹部職員に対して、所属する研究員のみならず、各界の著名人や第一人者を招き高度な教育を行っています。

 第4の顔は、戦史研究センターとしての顔です。防衛研究所は、わが国最大の戦史研究センター2としても有名で、国内外の戦史研究や戦史史料の管理を行っています。


 
1)さまざまな領域の専門家を集めて、社会開発や政策決定などの複合的な問題や未来の課題を研究する機関

 
2)図書史料室では、明治期以来の旧陸・海軍の公文書類など約15万冊を国立公文書館等と同様に一般公開しています。


 

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