第4章 日米安全保障体制の強化 

2 在日米軍施設・区域の安定的な使用の確保


 政府は、必要な在日米軍施設・区域の安定的な使用を確保するため、その民公有地については、所有者との合意の下、賃貸借契約などを結んでいる。しかし、このような合意が得られない場合には、駐留軍用地特措法4により、使用権原(けんげん)5を取得することとしている。
 また、政府は、日米安保条約の目的達成と周辺地域社会の要望との調和を図るため、在日米軍施設・区域に関する諸施策を推進してきた。
参照> 本章2節

 さらに、在日米軍施設・区域の周辺地域においては、米軍人などによる事件・事故の発生が地域住民に影響を与えている。04(同16)年8月に沖縄県宜野湾市で発生した米軍ヘリ墜落事故については、既に事故原因や再発防止策が公表され、日米共同で、普天間飛行場のさらなる可能な安全対策の検討を行っている。また、本年1月に横須賀市で発生した米軍人による強盗殺人事件については、同月に開催された日米防衛首脳会談において、ラムズフェルド国防長官より、遺憾の意と弔意が表されたところ、額賀防衛庁長官より、再発防止と綱紀粛正に向けた同国防長官の指導力の発揮に期待する旨の発言がなされた。
 政府としては、米軍に対して兵員の教育、綱紀粛正などその再発防止策について実効ある措置を講ずるよう求め、再発防止策に協力していくとともに、こうした事件・事故による被害に対しては、迅速かつ適切な補償が行われるよう措置している。


 
4)正式名称は、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法」

 
5)権原とは、ある行為を正当化する法律上の原因


 

前の項目に戻る     次の項目に進む