第4章 日米安全保障体制の強化 

8 今後の取組


 本年5月「2+2」会合において、再編の最終とりまとめとして、その具体的施策を実施するための詳細が閣僚レベルで承認されたことは、抑止力の維持と地元の負担の軽減を通じて日米安保体制を一層実効的なものとしていく上で、極めて重要な一歩である6
 これらにより、同盟関係における協力は、新たな段階に入る。また、これは、この地域における同盟関係の能力の強化につながるものである。他方、米軍再編のロードマップを完了するには、今後さらに約8年を要するとともに、さらに、沖縄の米海兵隊のグアムへの移転経費の負担など、その実現のためには、資金的にも大きな努力が必要である。
 しかしながら、これは、わが国として米国との間で主体的に協議してきた結果であり、これらを完了させることは、日米同盟関係をさらに実効的なものとするために是非とも必要なものである。わが国としては、米国と協力してこの計画を速やかに、かつ、徹底して実施していく。
 このため、本年5月30日、政府は「在日米軍の兵力構成見直し等に関する政府の取組について」を閣議決定した。この決定において示された考え方と方針は、次のとおりである。
○ わが国の平和と安全を保つための安全保障体制の確保は政府の最も重要な施策の1つであり、政府が責任をもって取り組む必要がある。
○ 在日米軍の兵力構成見直し等についての具体的措置(以下「再編関連措置」とする。)の実施についての考え方は次のとおりである。
 ・地元地方公共団体において新たな負担を伴うものについては、かかる負担を担う地元地方公共団体の要望に配慮し、わが国の平和と安全への大きな貢献にこたえるよう、地域振興策等の措置を実施する。
 ・返還跡地の利用の促進および駐留軍従業員の雇用の安定確保等について、引き続き、全力で取り組む。
 ・在沖海兵隊部隊のグアムへの移転は、米軍の使用する施設・区域が集中する沖縄県の負担の軽減にとって極めて重要であり、わが国としても所要の経費を分担し、これを早期に実現する。
○ 政府としては、このような考え方の下、法制面および経費面を含め、再編関連措置を的確かつ迅速に実施するための措置を講ずる。
○ 厳しい財政事情の下、政府全体として一層の経費の節減合理化を行う中で、防衛関係費においても、更に思い切った合理化・効率化を行い、効率的な防衛力整備に努めることとし、「中期防衛力整備計画(平成17年度〜平成21年度)」については、在日米軍の兵力構成見直し等の具体的な内容を踏まえ、再編関連措置に要する経費全体の見積もりが明確となり次第、見直すとしている。
参照> 資料39
 
米軍再編シンポジウムで挨拶する額賀防衛庁長官



 
6)本年5月、再編の最終とりまとめの意義や内容について、地方公共団体関係者、報道関係者および有識者等の方々に理解を深めてもらうことを目的に、東京都において、「米軍再編シンポジウム」を開催し、政府側からの説明やパネルディスカッションなどを実施した。


 

前の項目に戻る     次の項目に進む