第4章 日米安全保障体制の強化 

3 日米協議の3つの段階


 今回の日米協議は、安全保障環境の大きな変化を受けて、日米同盟の方向性について、日米両国の共通戦略目標の確認にはじまり、包括的かつ段階的に整理を行い取り進められた。

(1)共通戦略目標(第1段階)
 第1段階として、地域および世界において、日米が防衛・安全保障面でその達成に向けて協力すべき戦略目標を特定した。

(2)日米の役割・任務・能力(第2段階)
 第2段階では、第1段階において特定された戦略目標を達成するため、日米、特に自衛隊および米軍の役割・任務・能力について、日米の安全保障・防衛政策の近年の発展、成果を踏まえ、検討を行った。
 この検討は、兵力態勢の再編を行う前提として、自衛隊および米軍が十分な調整を行いながら、どのように協力すべきかについて明らかにするものであった。

(3)兵力態勢の再編(在日米軍の兵力構成見直し)(第3段階)
 第3段階として、第2段階における役割・任務・能力に関する検討を踏まえ、それらを具体化するために必要な在日米軍および関連する自衛隊の態勢について、検討を行った。

 第1段階の共通戦略目標は、05(同17)年2月の「2+2」会合の共同発表において確認された。また、同会合においては、第2段階の日米の役割・任務・能力とともに、第3段階の兵力態勢の再編について集中的に協議を行うこととされた。
 その協議の成果として、同年10月の「2+2」会合において、「日米同盟:未来のための変革と再編」と題する共同文書(「共同文書」)が取りまとめられた。この「共同文書」において、日米の役割・任務・能力の具体的方向性とともに、在日米軍および関連する自衛隊の部隊の態勢の再編についての具体的な方向性が示された。
参照> 資料36

 本年5月1日の「2+2」会合においては、それまでの一連の日米協議の成果として、「再編実施のための日米のロードマップ」という形で、兵力態勢の再編の最終的な取りまとめがなされ、具体的施策を実施するための詳細が示された。
参照> 資料38

 このように、今回の日米協議は、段階的な作業の節目毎に「2+2」における日米共同の文書の発表という形で透明性を確保しつつ、その内容を内外に明らかにして進められた。以下、このように進展してきた日米協議の内容について説明する。
(図表4-2-2参照)
 
図表4-2-2 日米協議の全体像

 

前の項目に戻る     次の項目に進む