第3章 わが国の防衛のための自衛隊の運用と災害派遣や国民保護 

1 弾道ミサイル攻撃への対応


 冷戦終了後、国際社会における弾道ミサイルや大量破壊兵器の不拡散のためのさまざまな努力が行われているが、依然として拡散は進展している。弾道ミサイルに対しては、これまでわが国として米国の打撃力に期待するとしていたが、守るべき国家や国民を持たないテロ組織などの非国家主体がこれらの兵器を取得する可能性もある。その際、従来の抑止が通用しにくい場合が考えられる。このため、弾道ミサイル攻撃への対応に、より万全を期すため、わが国は04(平成16)年度に、弾道ミサイル防衛(BMD:Ballistic Missile Defense)システムの整備を開始した。昨年の通常国会では、自衛隊法の所要の法改正を実施するとともに、実際のシステム導入後の対処については、統合運用体制への移行も踏まえ検討している。
 また日米共同技術研究の結果、当初の技術的課題を解決する見通しを得たことから、今後の弾道ミサイルの脅威に対処するため、昨年12月には、安全保障会議と閣議において、BMD用能力向上型迎撃ミサイルの共同開発に着手することを決定した。

 

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