第2章 わが国の防衛政策の基本 

3 武力攻撃事態などに備えた態勢整備


 有事法制の成立により、わが国に対する武力攻撃など国や国民の平和と安全にとって最も重大な事態への対処について、国民保護措置、海上輸送の規制措置や捕虜等の取扱いに係る措置、港湾施設・飛行場施設などの円滑かつ効果的な利用の確保のための措置など必要な各種措置の実施についての法的基盤が整った。
 今後は、これら法制の実効性の確保とこれに伴う運用面の態勢整備が重要であり、常に変化する安全保障環境に対応するため、不断の努力が必要である。
 このような態勢整備にあたっては、国のみならず、地方公共団体、関係機関一体となった取り組みと、国民一般の理解が重要である。
 このため、平素より、安全保障会議の下におかれた事態対処専門委員会において、武力攻撃事態やテロ・不審船などの緊急事態への対処などについて検討を行っている。
 さらに、武力攻撃事態等への対処措置を実施する指定行政機関、地方公共団体、指定公共機関においても、それぞれの役割に応じた計画の策定や、それぞれの施策・業務への反映が進められている。
 政府としても、有事法制に基づき、わが国に対する武力攻撃から国民の生命、身体および財産を守るために実施する各種の措置の重要性について平素からさまざまな機会を通じて広く啓発に努めるとともに、訓練などを通じて運用面の態勢の実効性を検証しながら、その整備に努めることとしている。
(図表2-3-4参照)
 
図表2-3-4 武力攻撃事態などに備えた平素の検討体制

 

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