第5章 国民と防衛庁・自衛隊 

航空管制業務に従事する隊員の声

小牧管制隊 3等空佐 廣田浩己

 
飛行場管制業務に従事する廣田3等空佐(中央)

 空自小牧基地に隣接する愛知県名古屋飛行場(小牧市)に所在し、中部国際空港(通称セントレア)開港に伴って国土交通省より飛行場管制業務などを引き継ぐため新設された小牧管制隊について、部隊建設に従事した際の苦労話などを廣田3等空佐に聞きました。

Q1:本任務に従事して良かった事について
 部隊新設に先立ち、国土交通省名古屋空港事務所の管制業務研修において、国土交通省の管制官から熱意ある実務訓練(OJT:On the Job Training)を受けることができたこと、また、それに伴い国土交通省及び防衛庁の管制官が互いに尊敬し合い、心を開いて話す機会に巡り会え、強固な人間関係を構築することができたこと。さらに、準備業務当初から部隊建設のため集まってきた小牧管制隊員の一人ひとりがあらゆる苦難にも立ち向かい、皆とともに引継業務を完遂できたことです。

Q2:本任務で苦労したことについて
 03(平成15)年5月に一人で小牧基地に臨時勤務することになりましたが、防衛庁が管制業務を担当するに当たり、国土交通省及び防衛庁の合意がなかなか成立しないため後続の要員が招集されない時期が続き、管制官訓練が始められない状況にありました。しかし、臨時勤務先の第1輸送航空隊の隊員及び管制官の古里である第5術科学校の教官(自衛官)から多大な支援を受け、貴重な経験が出来たことは私の人生の中でも最大の宝であります。

Q3:勤務中のエピソードについて
 名古屋飛行場開港当日(本年2月17日)の朝、徹夜での準備の後、初日第一便の管制を担当しました。その際以下のような管制交信を行いました。管制官「貴方が県営名古屋飛行場から出発する最初の航空機です。気を付けて行ってらっしゃい。」操縦士「ありがとうございます。今後とも宜しくお願いします。皆様に期待しています。」『皆様に期待します。』という応答で徹夜準備の疲れが一気に解消されました。


 

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