第5章 国民と防衛庁・自衛隊 

安全管理

 自衛隊の任務が、わが国の防衛などであることから、その訓練や行動に危険が伴うことは避けられない。
 しかし、国民の生命や財産に被害を与えたり、隊員の生命などを失うことにつながる各種の事故は、絶対に避けなければならない。
 近年では01(同13)年に、島松射撃場(北海道)における空自のF-4戦闘機の機関砲誤発射事故、白河布引山演習場(福島県)における陸自のりゅう弾砲場外弾着事故などが起こり、防衛庁・自衛隊は、それぞれの事故原因の徹底的な究明を行い、これらから得た様々な教訓を全国の部隊に徹底するとともに、訓練実施に伴う安全管理と事故発生時の連絡態勢確保に努めてきた。19
 こうした中、本年3月には北海道大演習場において陸自自走120mm迫撃砲弾の落達未確認という一歩間違えれば住民等の生命及び財産に危険を及ぼしかねない事案が発生し、また、本年4月には空自救難捜索機(MU-2)が訓練飛行中、新潟県御神楽岳に墜落し隊員4名が殉職した。それぞれの事案について、本年5月末現在、原因の究明、再発防止策の検討などを行っている。
 安全管理は、不断の見直し、改善が不可欠であり、防衛庁・自衛隊が一丸となって取り組むべき重要な課題である。
 防衛庁・自衛隊では、今後も、平素からの航空機の運航や射撃訓練時などにおける安全確保に最大限留意するとともに、海難防止や救難のための装備、航空保安無線施設の整備なども進めていくこととしている。


 
19)いずれも地元に対する今後の安全管理などの説明を行った。また、02(平成14)年11月に、白河布引山での実弾射撃訓練を、続く03(同15)年9月に、島松射撃場における射爆撃訓練を再開した。


 

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