第4章 国際的な安全保障環境の改善のための主体的・積極的な取組 

新防衛大綱に示された国際平和協力活動への取組

 新防衛大綱では、新たな安全保障環境に対応するため、自衛隊が国際平和協力活動に主体的・積極的に取り組む必要がある旨を規定している。国際テロ組織といった軍事力による抑止が有効に機能しにくい新たな脅威が出現するとともに、国家間の相互依存関係の一層の進展と移動手段・通信手段の発達によるグローバル化とがあいまって、わが国から遠く離れた地域で発生した事態であっても、わが国にその脅威や影響が及び得ることが懸念される。こうした点は、9.11テロにより、明確に認識されるようになってきた。
 また、民族や宗教などに起因する複雑で多様な地域紛争も依然として存在している。こうした地域紛争は、国際社会の平和と安全にとっての脅威となるだけでなく、アフガニスタン内戦後の状況のように、内戦により荒廃した国家に対し国際社会が適切に対応しない場合には、荒廃した状況に乗じて国際テロ組織が浸透し、その活動の拡大を許すことにもつながりかねない。
 このような状況を踏まえると、国際社会の平和と安定を確保するための取組をわが国自身の平和と安全の問題として捉え、自衛隊としても主体的・積極的に取り組む必要があると考えられる。

 

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