(3)警察との連携強化のための措置
ア 連携強化のための枠組みの整備
武装工作員などへの対処に当たっては、警察機関との連携が重要である。このため、00(同12)年、治安出動の際における自衛隊と警察との連携要領についての基本協定(54(昭和29)年に締結)を改正し、暴動鎮圧を前提とした従来の協定を、武装工作員などによる不法行為にも対処できるようにした
2。
また、02(平成14)年5月末までに、陸自の師団などと全都道府県警察との間で、治安出動に関する現地協定を締結した。
イ 警察との共同訓練
武装工作員などへの対処に際し、現地レベルでの相互の連携を一層緊密なものとするため、本年3月までに、現地協定の締結主体である師団などと38都道府県警察との間で共同図上訓練を実施している。
ウ さらなる連携強化の措置
これまで実施してきた共同図上訓練により、武装工作員などへの対処に関する警察との相互理解が図られたほか、警察と自衛隊の連携要領などについても活発な検討がなされた。これらの成果などを踏まえ、治安出動の際の武装工作員などによる事案に対する自衛隊と警察の現地における共同対処をより適切に実施することを目的に、昨年、治安出動の際における武装工作員等事案への共同対処のための指針を警察庁と共同で作成した。同指針は、上述した共同対処の基本的な事項として次のような内容について規定している。
1) 治安出動命令が発せられる可能性がある場合の連携として、連絡員の派遣、連絡会議の開催、情報収集活動の調整など
2) 治安出動命令が発せられた場合の連携として、自衛隊の迅速な現場進出のための警察による協力、共同調整所の設置、各行動における任務分担・連携要領など
3) 治安出動下令前後を問わず考慮すべき連携として、物品、施設などに関する相互の協力・支援、通信の確保、部外に対する発表など
今後、共同図上訓練を未実施の県において実施するとともに、その成果を踏まえ、共同実動訓練の実施の検討も含め、一層の連携強化を図ることとしている。