資料編 

資料35 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律案に対する附帯決議(参議院イラク・事態対処特別委員会 2004(平成16)年6月14日)



 政府は、本法の施行に当たって次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。
一 指定公共機関及び指定地方公共機関が「国民の保護に関する業務計画」を作成するに当たっては、指定公共機関等において業務計画の下で業務に従事する者等の意見を聴取する機会が確保されるよう配慮すること。
二 放送事業者である指定公共機関及び指定地方公共機関が実施する国民の保護のための措置については、放送の自律を保障することにより、言論その他表現の自由が確保されるよう特段の配慮を行うこと。
三 緊急事態においても基本的人権が最大限尊重されるとともに、国民の権利利益の迅速な救済が図られるよう、本法施行後一年を目途として、その手続や文書の適正な管理などの在り方について必要な検討を行い、その結果に基づき、適切な体制の整備等必要な措置を講ずること。
四 都道府県国民保護協議会及び市町村国民保護協議会については、その設置に当たり、それぞれの都道府県防災会議及び市町村防災会議と一体的かつ円滑な運営を可能とするために必要な検討を行い、その結果に基づき、必要な措置を講ずること。
五 「国民の保護に関する基本指針」を策定するに当たっては、国民の保護のための措置の実施主体である地方公共団体、指定公共機関、指定地方公共機関、並びに国民の意見を幅広く聴取すること。
六 国民の保護のための措置の的確な実施が確保されるよう、地方の実情に配意しつつ適切な支援を行うとともに、国・地方公共団体間の十分な連携体制を整備すること。
七 武力攻撃事態、緊急対処事態等における惨禍をできる限り軽減し、その被害を最小限にするため、国際人道法の精神等を踏まえ、自助・共助の精神に基づく民間の仕組みを含め、実効性のある施策を検討すべきこと。
八 武力攻撃事態等において、国民の保護のための措置が適切かつ迅速に実施されるよう、武力攻撃を排除するためにとられる合衆国軍隊の行動につき我が国の法令が最大限尊重されることを担保すべく、日米協力についての透明性を更に高めるとともに、日米地位協定につき全般的な検証を行うべきこと。
九 緊急事態に迅速かつ適切に対処するため、官邸機能の強化と既存の組織の見直しを進めるとともに、危機管理の効果的な実施体制を担保する組織を整えること。

 

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