ゴラン高原国際平和協力業務
ゴラン高原の国連兵力引き離し監視隊(
UNDOF)
2:United Nations Disengagement Observer Forceは、停戦に合意したシリアとイスラエルの間に設定された兵力引き離し地帯に展開して国連平和維持活動を行っており、本活動への参加は、中東和平のための国際的努力に対するわが国の人的な協力としての意義を有する。
政府は95(同7)年12月、自衛隊の部隊などの
UNDOFへの派遣を決定し、96(同8)年1月に、第1次ゴラン高原派遣輸送隊43名がカナダの輸送部隊と交代した。以来、約6か月交代で部隊を派遣し、本年5月現在、第17次ゴラン高原派遣輸送隊が派遣されている。
派遣輸送隊は、
UNDOFの活動に必要な日常生活物資などを、イスラエル、シリア、レバノンの港湾、空港、市場などから各宿営地まで輸送したり、道路を補修したりするなどの後方支援業務を行っている。派遣輸送隊は、カナダ部隊などと同一宿営地に居住し、隊員の給食などを共同で行っており、関係国との交流を深めている。
さらに、空自は、派遣輸送隊に対する物資輸送のためC-130H輸送機やU-4多用途支援機を半年に一度の割合で派遣している。また、
UNDOFの司令部要員として自衛官2名が派遣され、輸送などの後方支援分野に関する企画・調整や
UNDOFの活動に関する広報や予算関連の業務を行っている。司令部要員は、おおむね1年ごとに交代しており、本年5月現在、第9次の司令部要員が
UNDOFの司令部に派遣されている。
UNDOFへの派遣期間は、当初、2年をめどとされていたが、国連からの強い要請、わが国要員の活動に対する国連や関係国からの高い評価、中東和平への人的協力の重要性などを考慮して総合的に検討した結果、これまで8年以上にわたり継続している。
2)シリア南西部のゴラン高原でイスラエルとシリア間の停戦監視と両軍の兵力引き離しなどに関する合意の履行状況の監視を任務としている。74(昭和49)年に設立され、現在まで約30年間にわたり活動を継続。