第4章 国際社会の平和と安全を確保するための取組 

3 派遣隊員の活動状況、日本の貢献に対する評価

具体的な活動状況など

 これまでの主な協力支援活動は、艦船用燃料の洋上補給である。
 洋上における補給は、補給艦の真横30〜50mの距離を同じ速力で航行する受給艦にホースを渡して、数時間(最長6時間)にわたり、等距離、同速力を維持しつつ並走しながら燃料を供給する作業であり、高い操艦技術と隊員の練度、忍耐を要する作業である。さらに、補給を行っている周辺海域では、すぐには国籍が確認できない船舶や航空機が航行しており、作業を行う隊員は、常時、不測の事態に対応できる態勢を維持しなければならず、極度の緊張を強いられている。また、気象状況については、外気温度は最高40℃を超え、甲板上は約70℃以上になることもあるなど、厳しい環境の下で隊員は忍耐強く任務を遂行している。
 
洋上給油において作業を行う補給艦の隊員

 協力支援活動を実施する補給艦としては、「とわだ」「はまな」「ときわ」の3隻から、常時1〜2隻が派遣されている。加えて、本年3月には新型補給艦「ましゅう」が就役し、今後所要の訓練を終えて、実任務に対応できるようになれば、4隻による派遣態勢が確立でき、より効果的な活動を行うことが期待できる。
 補給艦の護衛などに当たっている護衛艦についても、常時2〜4隻が派遣されている。従来の国内における任務、訓練に加えて、近年活発化している防衛交流や多国間訓練などで海外へ派遣される艦艇が増加していることから、これらの所要を満たしつつ、協力支援活動に従事するため、計画的な部隊運用に努めている。
 空自は、C-130H輸送機、C-1輸送機などにより、米軍の航空機用エンジン、部品、整備器材、衣料品などの物資を輸送するなどの任務を遂行している。
 
本年3月に就役した新型補給艦「ましゅう」
 
艦艇派出状況表


 

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