第4章 国際社会の平和と安全を確保するための取組 

第1節 イラクの国家再建に向けた取組への協力

 イラクにおける主要な戦闘は終結し、国際社会は、イラクの復興支援に積極的に取り組んでいる。イラクの再建は、イラク国民や中東地域の平和と安全はもとより、わが国を含む国際社会の平和と安全の確保にとって極めて重要である。そこで、憲法の範囲内で、主体的かつ積極的に、できる限りの支援、協力を行うため、政府は、昨年6月、イラク人道復興支援特措法1案を国会に提出、同法案は同年7月、可決、成立した。
 これを受け、昨年12月以降自衛隊は順次部隊を現地に派遣し、医療、給水、公共施設の復旧・整備、人道復興関連物資などの輸送(人道復興支援活動)を中心とした活動を実施しており、その際、これに支障を及ぼさない範囲で、諸外国が行うイラクの国内の安全と安定を回復する活動の支援(安全確保支援活動)を行っている。
 こうしたわが国の活動はイラクの復興、ひいては中東地域全体の安定に寄与するものであり、国際社会とイラク国民から高い評価を受けており、米国をはじめとする国際社会からのわが国に対する信頼の向上のみならず、日米の安全保障面での協力をさらに緊密かつ実効性あるものとする上で有意義である。
 本節では、イラク人道復興支援特措法と基本計画の概要、これまでの自衛隊の活動、派遣の意義と各国の評価などについて説明する。

 
石破長官(左)から隊旗を授与される第1次イラク復興支援群長(右)


 
1)正式名称は、「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法」


 

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