第3章 わが国の防衛と多様な事態への対応 

軍事情報の収集

 自衛隊は、わが国の防衛に必要な情報を得るため、上空に飛来する軍事通信電波や電子兵器の発する電波などを収集し、整理・分析している。
 画像情報については、商用の地球観測衛星の画像データを活用して、軍事的観点から他国の軍事基地などの状況把握を行っている。防衛庁・自衛隊は、この衛星画像情報業務を効率化・高度化するため、商用の高分解能衛星画像(分解能1m級3)に対応した画像情報支援システム(IMSS:IMINT (Imagery Intelligence) Support System)を整備し、01(平成13)年から運用を行っている。一方、情報収集衛星については、安全保障、危機管理などに関するわが国の情報収集能力の強化のため、昨年3月に1号機(衛星2機)が打ち上げられ、本年4月より運用されている。昨年11月の2号機(衛星2機)の打ち上げ失敗により当面の間は2機による運用となるが、隙間のないわが国独自の画像情報収集能力を確保するため、所期の目標である4機体制の確立が期待されるところである。
 また、本年6月末現在、海外では、防衛庁から外務省に出向した自衛官である防衛駐在官47名が、36か所の在外公館で軍事情報の収集などを行っている。



 
3)分解能とは、センサーの性能を表す指標のことであり、分解能1m級とは、1mの物体であれば物体として認識できる性能を指す。


 

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