6 庁・自衛隊の進むべき方向
(第6章:今後の防衛庁・自衛隊のあり方)
1 将来の防衛力のあり方
防衛庁においては、国家安全保障における防衛機能として真に21世紀に相応しい防衛力の創造を目指すという観点から、将来における防衛力のあり方について、精力的な検討が行われている。わが国にとっては、危機に強い国家、国民が安心・安全に暮らせる国家を目指すともに、今後、より積極的・能動的にアジア太平洋地域をはじめとする国際社会の平和と安定のための責務を果たしていくことが重要となろう。
統合幕僚会議議長が主催する陸・海・空幕僚長との統合幕僚会議
統合幕僚学校における教育の状況
2 陸・海・空自衛隊の統合の強化
多様化する自衛隊の役割に速やかに対応し、将来にわたり自衛隊の任務を迅速かつ効果的に遂行するため、平素から陸・海・空自衛隊を有機的かつ一体的に運用できる態勢が必要である。
このため、新たな統合運用態勢の方向性として、統合幕僚長(仮称)が各自衛隊を代表して一元的に長官を補佐する、その幕僚機関として統合幕僚組織を設置する、などとするほか、統合運用に必要な基盤整備として人事、教育、情報、訓練などの各種機能の充実があげられている。
3 弾道ミサイルの脅威への対応
アジアでは多数の弾道ミサイルが配備され、わが国を射程におさめるものがあると考えられる状況の中、わが国として弾道ミサイルの脅威にいかに対処するかが重要な課題である。
米国は、ミサイル防衛を国防政策の重要課題として、その防衛体制の構築を推進している。そのうち陸上配備型は量産に移行し、海上配備型のシステムは技術的な実現の可能性は高まっている。
わが国でも、弾道ミサイル防衛は極めて重要な課題であり、日米共同研究を継続するほか、わが国の弾道ミサイル防衛のあり方について研究・検討の加速化が必要である。
米国が開発中の海上配備型イージスシステム用ミサイル<SM-3>〔Missile Defense Agency〕
米国が開発中の地上配備型地対空誘導弾ペトリオット<PAC-3>〔Missile Defense Agency〕