第5章 国民と防衛 

南極地域観測への協力

 自衛隊は、わが国が行う南極地域における科学的調査に対し、65(昭和40)年以降、人員・物資の輸送などの協力を行っている。
 昨年11月から本年4月までの第44次観測支援では、砕氷艦「しらせ」が、観測隊員や物資約1,200トンの輸送を行ったほか、南極大陸周辺海域での海洋観測1の支援を行い、わが国の南極地域観測事業において大きな役割を果たした。
 その総航行距離は、約2万マイルにもわたり、チャージング回数2は、319回に及んだ。

 
第44次南極地域観測「しらせ」の行動図



 
1)塩分濃度、海洋構造、海洋生態系などの観測。

 
2)チャージングとは、いったん艦を200メートルから300メートル後退させ、最大馬力で前進し、氷に体当たりするとともに氷に乗り上げる格好で氷を砕くものである。過去5年間で最も多かったチャージング回数は、第42次(00(平成12)年)であり、1,513回に及んだ。


 

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