第5章 国民と防衛 

医療面での活動

 防衛医科大学校1(埼玉県所沢市)では、医学の教育・研究に役立てるための病院が設置されている。ここでは、広く一般の市民の診療も行うほか、第3次救急医療施設である救命救急センター2が、運営されており、地域医療にも役立っている。また、自衛隊は、全国16か所に自衛隊病院3を設置するとともに、師団(しだん)、地方隊、方面隊などの主要部隊にも衛生部隊を保有しており、医療を含む各種衛生機能を持っている。さらに、地方公共団体などからの要請があれば、これらを活用し、災害発生時の救急医療、防疫(ぼうえき)などにも努めている。
 調査研究の分野では、陸自開発実験団部隊医学実験隊(東京都世田谷区)、海自潜水医学実験隊(神奈川県横須賀市)、空自航空医学実験隊(東京都立川市)が、それぞれ野外衛生、潜水医学、航空医学などの研究を行っており、また、防衛医科大学校防衛医学研究センター(埼玉県所沢市)では、救命・救急医学に関する研究などを行っている。これらの部隊などは大学や研究機関などの要請に応じ、講師を派遣するなどして、長年培(つちか)った知識・技術を社会に提供している。

 
実験装置により飛行中の各種錯覚について実験中の航空医学実験隊の隊員(東京都 立川分屯基地)



 
1)本章1節1参照。

 
2)重傷や重体、危篤疾病者の医療を行うための施設。

 
3)自衛隊病院の一部では、広く一般市民の診療も行い地域医療に貢献している。


 

前の項目に戻る     次の項目に進む