第5章 国民と防衛 

1 市民生活の中での活動

危険物の処理

 不発弾は、今日なお、全国各地で土地開発や建設工事などの際に発見されている。
 陸自は、地方公共団体などの要請を受けてその処理に当たっている。昨年度の処理実績は、件数2,580件(平均すれば週約54件)、量にして約69トンである。特に、沖縄県での処理量は、約28トンと全国の処理量の約40%を占めている。
 また、海自は、1954(昭和29)年の創設時に保安庁警備隊から航路啓開(こうろけいかい)1業務を引き継ぎ、わが国周辺において、第2次世界大戦中に敷設された機雷のため設定された危険海域の掃海(そうかい)を行ってきた。この結果、危険海域にあった機雷の掃海はおおむね終了(約99%完了)した。現在は、地方公共団体などの要請を受けて爆発性の危険物の除去や処理に当たっており、昨年度の処理実績は、機雷3個を含む1,301個(平均すれば週約28個)、量にして約21トンである。
 なお、発見された不発弾が化学弾である場合には、自衛隊は基本的には処理する能力はないが、福岡県苅田町で行っているように引揚げ・運搬・検知などにおいて可能な範囲で協力している。

 
第2次世界大戦中に敷設された機雷の除去作業を行う海自下関基地隊の隊員(関門海峡)



 
1)機雷、沈船などの障害を取り除いて船舶の経路を切り開くこと。


 

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