1 東ティモール国際平和協力業務などへの参加
東ティモール国際平和協力業務
わが国は、東ティモールにおける国連東ティモール暫定行政機構(
UNTAET:United Nations Transitional Administration in East Timor)が行う国連平和維持活動への参加に関し、国連からの要請を受け、昨年2月から自衛隊の部隊などの派遣を行い、現在は、UNTAETの後継である国連東ティモール支援団(
UNMISET:United Nations Mission of Support in East Timor)
1に対して、第3次東ティモール派遣施設群などを派遣している。
東ティモールは、1年を通じて高温・多湿であり、また、派遣施設群は3か所に分派し宿営地も異なるなど、業務実施上様々な制約を受けているが、東ティモール復興に向けた現地での活動を支援するため、各隊員は、旺盛な責任感をもって日夜努力している。
(1)第1次施設群と第2次施設群の活動
昨年3月から、陸上自衛隊(陸自)で編成された第1次派遣施設群680名は、同年9月までの約7か月間、第2次派遣施設群680名は今年3月までの約6か月間、それぞれ道路・橋などの維持補修など後方支援分野の業務を実施した。
今回は、自衛隊の行う国連平和維持活動における過去最大の人員派遣であり、また、初めて女性自衛官が派遣された。なお、派遣にあたっては、統合幕僚会議が輸送にかかわる調整を行い、海上自衛隊(海自)の輸送艦、航空自衛隊(空自)の輸送機などが、人員・資器材の輸送と補給支援を行った(例えば空自の場合、輸送機で半年に1回の割合で派遣)。
派遣施設群は、道路・橋などの維持補修などに加え、民生支援として東ティモールの独立式典における会場設置作業などを行い、また、現地住民との交流などを活発に行うことにより、わが国と東ティモールとの友好関係の構築に貢献した。また、オクシ地区に駐屯する韓国陸軍との交流を積極的に行い、自衛隊主催の演奏会への招待、韓国陸軍の貨物卸下の支援などを通じて、自衛隊と韓国陸軍との信頼関係の強化にも寄与した。
なお、UNMISET軍事部門司令部には、司令部要員として自衛官10名が派遣され、施設業務の企画調整、後方支援業務の調整などの任務を行った。
この活動を通じ、自衛官の高い規律心・責任感、高い作業能力、統制ある行動は、現地の住民や諸外国のUNMISET参加部隊などからも高く評価された。
(2)第3次施設群の現地での活動
第3次派遣施設群は、本年3月、第2次施設群から任務を引き継いだが、UNMISET軍事部門の削減に伴い、部隊規模は522名に縮小された。
群本部及び本部管理中隊
2並びに1個施設中隊をディリに、各1個施設中隊をマリアナ、オクシにそれぞれ配置し、第2次施設群と同様、道路・橋などの維持補修など、後方支援分野の業務に従事している。
なお、UNMISET軍事部門への司令部要員
3についても削減され、自衛官7名が引き続き派遣された(この要員は約1年の任期で派遣)。
また、空自による施設群への物資輸送はこれまでと同様に行われている。
1)UNTAETの後継のPKOで、東ティモールの国造りに対する協力を行う機構。昨年5月17日の国連安保理決議第1410号の採択により設立された。
2)給食・給水・入浴などの支援、車両などの整備、燃料・資器材の補給・管理、衛生などを担任する約220名からなる中隊。
3)司令部要員は、軍事部門司令部の支援部施設課へ6名(施設課長を含む陸自幹部自衛官3名、陸曹3名)、同部統合支援センターへ1名(陸自幹部自衛官)が派遣されている。