第4章 より安定した安全保障環境の構築への貢献 

イラク被災民救援国際平和協力業務

(1)実施計画の概要(主に自衛隊の部隊等が行う業務に関する事項を抜粋)
ア 基本方針
 安保理決議第1483号を受け、わが国としては、イラクとその周辺地域の平和と安全がわが国自身にとって重要であるとの考えに基づき、国連を中心とした国際平和のための努力に対し、国際協調の下で積極的な役割を果たしていくため、応分の協力として、イラク周辺国において国連などの関係機関などが行っている人道的な国際救援活動のための物資などの輸送を行うこととする。このため、イラク被災民救援国際平和協力隊を設置し、自衛隊の部隊等により、輸送分野における国際平和協力業務を行うこととする。
 なお、国際平和協力法に規定する受入国の人道的な国際救援活動への同意とわが国の国際平和協力業務の実施についての受入国の同意についてはいずれも得られている。

 
現地での運用要領(一例)

イ 業務の実施に関する事項
 (ア)業務の種類及び内容
輸送(イラク被災民救援のための物資などの航空輸送)
 (イ)派遣先国
ヨルダン、イタリアなど1
 (ウ)実施期間
平成15年7月7日〜同年10月6日2
 (エ)規模、構成及び装備
a 規模と構成
輸送業務を行うための航空自衛隊の部隊(人員144名)
b 装備
C-130H輸送機3機、U-4多用途支援機1機、拳銃

(2)空自派遣部隊の状況
 空自は、実施計画及び実施要領3に基づき、本年7月7日、人員144名、C-130H輸送機3機(うち1機は国内待機)、U-4多用途支援機1機(国内待機)からなるイラク被災民救援空輸隊などを編成し、7月10日、C-130H輸送機2機が空自小牧基地を出発した。
 空輸隊(人員98名)は、イラク被災民救援のため、欧州(イタリアにある国連備蓄基地など)からイラク周辺国(ヨルダンなど)までの間などにおいて、国連などの関係機関(WFPなど)が行っている人道的な国際救援活動のための物資などの空輸を行っている。

 
人道支援物資などの輸送のためイラクに向け出発した空自のC-130H輸送機(本年7月 愛知県空自小牧基地)



 
1)国連などの関係機関から要請があった場合は、その他欧州などの国において、その国の同意が得られていることを確認の上、輸送業務を行うことができる。

 
2)現地における業務実施期間は、7月中旬から当面約1か月を予定。

 
3)イラク被災民救援国際平和協力業務(輸送分野)実施要領


 

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