第2章 わが国の防衛政策 

第3節 防衛力の整備

 防衛力の根幹である隊員の養成や装備品の取得は、一朝一夕にはできない1。このため、防衛力の整備は、具体的な中期的見通しの下、継続的かつ計画的に行う必要がある。
 自衛隊は、現在、防衛大綱に示された体制に向け、段階的に移行している途上であり、部隊の練度の低下の防止などに配意しつつ、引き続き計画的に防衛力の整備を推進することが適切である。また、情報通信技術(IT:Information Technology)の急速な進歩・普及に伴い、戦闘様相の広域化・高速化や兵器の高性能化が進む可能性などが生じており、これに対応することが急務となっている。さらに、2001(平成13)年9月の米国での同時多発テロや同年12月の九州南西海域不審船事案の発生などにより、自衛隊の「わが国の防衛」以外の多様化する役割への国民の期待はますます大きくなっており、災害などの各種の事態などにもきめ細かく対応する必要がある。
 このような考えの下、防衛大綱に定める防衛力の水準への円滑な移行に配意しつつ、適切な防衛力を整備するため、00(同12)年に策定された中期防2に基づき、防衛力の整備を進めている。
 本節では、この中期防と平成15年度の防衛力整備の概要について紹介する。

 
これまでの中期的な防衛力整備の計画などの変遷



 
1)航空自衛隊の支援戦闘機(F−2)は、昭和63年度に開発に着手し、平成12年度に開発が完了し、部隊への配備を開始した。

 
2)「中期防衛力整備計画(平成13年度〜平成17年度)について」


 

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