第2章 わが国の防衛政策 

わが国の防衛力のあり方

(1)基盤的防衛力構想の基本的踏襲
 防衛大綱では、前大綱が取り入れた、わが国に対する軍事的脅威に直接対抗するよりも、自らが力の空白となって周辺地域の不安定要因とならないよう、独立国として必要最小限の基盤的な防衛力を保有するという「基盤的防衛力構想」の考え方を基本的に踏襲している1

(2)防衛力の見直し
 本節1で述べた国際情勢などを踏まえ、防衛大綱では、防衛力の規模と機能の見直しを行い、その合理化・効率化・コンパクト化を一層進めるとともに、必要な機能の充実と防衛力の質的な向上を図ることで、多様な事態に有効に対応し得る防衛力を整備し、同時に、事態の推移にも円滑に対応できるよう適切な弾力性を確保し得るものとすることが適当であるとしている。



 
1)「平成8年度以降に係る防衛計画の大綱」の決定について(防衛庁長官談話(抜粋))
 前「大綱」においては、防衛力整備の基本的考え方として、わが国に対する軍事的脅威に直接対抗するよりも、自らが力の空白となってわが国周辺地域における不安定要因とならないよう、独立国としての必要最小限の基盤的な防衛力を保有するという「基盤的防衛力構想」を取り入れておりました。そして、わが国が保有する防衛力については、防衛上必要な各種の機能を備え、その組織及び配備において均衡のとれた態勢を保有することを主眼として、わが国がおかれている戦略環境、地理的特性などを踏まえて、その具体的な規模を導き出しておりました。
 このような基盤的な防衛力を保有するという考え方については、「新防衛大綱」においても、国際関係の安定化を図るための各般の努力が継続し、日米安全保障体制がわが国の安全及び周辺地域の平和と安定にとり、引き続き重要な役割を果たし続けるとの認識にたって今後とも基本的に踏襲していくということとしております。


 

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