情報本部は、冷戦後の安全保障環境が複雑さを増している中で、高度かつ総合的な情報収集・分析を実施できる体制を整備するため、1997年に創設された防衛省の中央情報機関であり、わが国最大の情報機関である。電波情報、画像・地理情報、公刊情報などを収集し、国際・軍事情勢など、極めて速いスピードで変化しているわが国を取り巻く安全保障環境にかかわる分析を行っている。
情報本部は、陸・海・空の自衛官と事務官・技官(語学系、技術系、行政・一般事務)からなる組織であり、自衛官は各自衛隊の部隊などにおける経験に基づく知見を、事務官・技官は語学、技術などの専門的な知識を駆使し、一丸となって業務に従事している。
具体的には、刻々と変化する国際情勢について、電波情報、画像情報、公刊情報(新聞、インターネットなど)、関係者との意見交換などからもたらされる交換情報といった、様々な情報源から得た情報に基づき、軍事的、政治的、経済的要因を含む様々な観点から総合的な分析を実施している。
また、情報本部では、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域における情報収集・分析機能を強化しており、例えば、サイバー空間における脅威の動向について、公刊情報の収集や諸外国との情報交換など、必要な情報の収集・分析を行っている。
情報本部の情報業務の成果は、分析プロダクトとして、内閣総理大臣、防衛大臣、内閣官房国家安全保障局、内閣情報調査室や陸・海・空自衛隊の各部隊に対して適時適切に提供され、政策判断や部隊運用を支えている。また、関係省庁や諸外国カウンターパートとの情報交流も積極的に実施している。