装備品の定期整備についても、安全性の確認を十分に行ったうえでその実施間隔を延伸し、効率化を図っている。また、装備品の可動率の向上と長期的なコスト抑制を図る観点から、PBL(Performance Based Logistics)(成果保証契約8)の導入に取り組んでおり、平成30(2018)年度予算においては、F110エンジン(戦闘機(F-2)用)及び輸送ヘリコプター(CH-47J/JA))の維持部品に係る包括契約などによる経費縮減を見込んでいる。
装備品の取得に当たっては、契約制度の見直しのほか、共用装備品の一括調達、一部構成品の共通化、装備品のファミリー化などにより、開発・取得・維持経費の低減を図っている。また、複数年度分の装備品や部品を特定の年度にまとめて予算化・契約することで効率化を図るまとめ買いを行っている。平成30(2018)年度予算においては、戦闘機(F-15)用次期味方識別装置やコンピューターソフトウェアライセンスなどのまとめ買いによる経費縮減を見込んでいる。
さらに、過去の主要装備品などの調達価格の内訳や実績価格のデータベース化を進めており、このデータベースを活用することにより、調達価格の妥当性の検証は勿論のこと、新規装備品のライフサイクルコストの見積の精度向上、効率化に活用することを見込んでいる。
防衛省では、装備品などの取得にかかる公正性・透明性の向上を図るため、契約の適正化のための措置や、チェック機能の強化のための措置を講じている。
まず、政府全体の取組である「公共調達の適正化」として、防衛省においても総合評価落札方式9の導入拡大、入札手続の効率化を継続して実施している。これに加え、12(平成24)年に相次いで発生した防衛関連企業による過大請求事案や装備品の試験結果の改ざん事案などの反省を踏まえた再発防止策として、制度調査の強化や違約金の見直し、監督検査の実効性の確保などを着実に実施しており、これらを通じて不祥事の再発防止、公正性・透明性の向上及び契約の適正化に取り組んでいる。
また、防衛装備庁においては、より強力なチェックを行うため、監察・監査部門を設置して内部監察などを行うとともに、防衛監察本部による監察や外部有識者からなる防衛調達審議会における審議などにより、同庁の内外から重層的なチェックを実施している。さらに教育部門を充実させ、職員に対する法令遵守にかかる教育を徹底することにより、コンプライアンス意識の向上にも努めている。
参照図表III-4-3-3(防衛装備品調達に関する監察・監査機能)