コラム

<VOICE>北朝鮮ミサイル対処出動隊員の声

石垣港におけるPAC-3警護任務について

第51普通科連隊 3等陸尉 大山 康一郎(おおやま こういちろう)

私は、北朝鮮が「人工衛星」と称するミサイルを発射した12(平成24)年4月と12月の2回、石垣市八島埋立地に展開した航空自衛隊のPAC-3の警護任務につきました。初めての実任務で緊張の連続でしたが、無事に任務を完遂できました。
この間、地元石垣市民の方々の暖かい心遣いに励まされたことに感謝します。
この経験をもとに、今後も自衛官として任務を完遂する能力を高めていきたいと思います。

警備哨所において状況を把握する筆者(右側)
警備哨所において状況を把握する筆者(右側)

ミサイルを探知 緊張の瞬間

護衛艦「みょうこう」船務長 3等海佐 佐藤 伸哉(さとう しんや)

12(平成24)年12月の北朝鮮ミサイル発射事案の際は、「みょうこう」を含むイージス艦および護衛艦が作戦海域に展開し警戒を行っていました。その中でミサイルがわが国領域に落下することが確認された場合には、イージス艦には迎撃ミサイルSM-3で弾道ミサイルを撃墜するという重要な任務が付与されました。
ミサイル発射警報を受信したとき、哨戒長として配置についていた私は、やや興奮しながら艦内にアラームを鳴らし対処を指示しました。本艦のレーダーがミサイルを探知し、わが国周辺に落下することなく南方へ飛翔するのを確認しましたが、その後も、次弾発射や特異な動静はないか、総員が油断することなく警戒態勢を維持しました。
私たちは国民の皆様の期待に応えるべく今日も訓練に励みます。これからも事に臨んで危険を顧みず必ず任務を完遂する所存です。

「みょうこう」で勤務中の筆者
「みょうこう」で勤務中の筆者

「いざ、出陣!」

第12高射隊長(当時) 2等空佐 世良 達裕(せら たつひろ)

「いざ、出陣!」出発直前、私が全隊員に達した訓示の最後の言葉です。それは、絶対に失敗の許されない任務でした。
まさに一朝有事ともいえるこの事態、最前線部隊としての「誇り」をもって、隊員皆全身全霊で任務に当たりました。
ペトリオットPAC-3の沖縄県石垣島への機動展開に当たり多くの困難はありましたが、石垣市や竹富町の皆様をはじめ、警察、消防、空港、港湾、海上保安庁などの関係機関、地元企業の方々、さらには饗庭野(あいばの)分屯基地が所在する地元滋賀県や高島市の皆様、そして分屯基地協力会皆様の絶大な御支援と御協力に支えられ、本任務を全うすることができました。
万全な迎撃態勢の確立、入念な整備作業、あらゆる不測事態を想定した陣地警備によって、石垣・八重山地域の皆様を弾道ミサイルの脅威からお守りできたことを誇りに、今後も、国民皆様の安心安全のため、実効的な訓練を重ね、部隊精強化に精進してゆく所存です。

輸送艦にて石垣島に展開する筆者(前列手前)
輸送艦にて石垣島に展開する筆者(前列手前)
 
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