コラム

<VOICE>横田基地における日米間の連携

航空総隊司令部 幕僚長 空将補 國分 雅宏(こくぶん まさひろ)

12(平成24)年3月に航空総隊司令部が横田基地に移転を完了してから1年余が過ぎました。
この間、運用分野から後方分野に至るまで、府中基地時代以上にフェイストゥーフェイスによる意見交換をする機会が急激に増大しました。特に、同年11月に実施された日米共同統合演習は、航空総隊司令部横田移転後、初めて実施された大規模な日米共同演習でした。横田基地に設けられた日米共同調整所で、日米のスタッフが緊密に連携し、情報共有および各種調整を行いました。これにより、演習中に生起した問題も短時間で解決できるようになり、これまで以上に円滑に演習を行うことができました。また、同年4月および12月の北朝鮮ミサイル発射事案においても、両司令部間の密接な連携により、迅速かつ的確な対応ができました。航空総隊司令官と第5空軍司令官が相互に司令部を訪問し合うなど、横田基地における日米間の連携はこの一年で一層強化されました。

米第5空軍副司令官 空軍准将 ジェリー D.ハリス Jr.

12(平成24)年3月26日、計画から建設まで6年以上の期間をかけて、航空自衛隊の総隊司令部は横田基地に移転し、運用を開始しました。この事業を達成し、初期の能力を発揮できたことは、日米同盟にとって画期的な出来事です。
両司令部が隣接して配置されることにより、各レベルのリーダーが、防空およびミサイル防衛に関し、より緊密に協力する機会が増え、日本全域における日米間の指揮統制も向上しました。
同年の4月と12月に起きた北朝鮮のミサイル発射事案に際し、総隊移転の効力が発揮されました。司令部が徒歩で移動できる距離に配置されたおかげでコミュニケーションの障壁が減り、日米間の相互運用性が高まり、日米共同計画、共同訓練および文化の相互理解も進展しました。

ハリス米第5空軍副司令官
ハリス米第5空軍副司令官
米第5空軍司令官(左)と空自総隊司令官(右)
米第5空軍司令官(左)と空自総隊司令官(右)
國分航空総隊司令部幕僚長
國分航空総隊司令部幕僚長
 
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