第II部 わが国の防衛政策と日米安保体制
3 日米防衛相会談

13(同25)年4月29日、小野寺防衛大臣が訪米し、米国防省においてヘーゲル米国防長官との間で会談を行い、両国間の防衛協力や在日米軍の再編などについて幅広く意見交換を行った。
この中で、小野寺防衛大臣とヘーゲル米国防長官は、日米同盟が、我が国の安全と地域の安定の確保のために引き続き重要であることを確認するとともに、同年2月の日米首脳会談の成果を受け、日米の協力関係を新たな段階に高めていくことが重要であることで一致した。また、アジア太平洋地域の安全保障環境についての意見交換も行われ、北朝鮮情勢について、日米および日米韓で緊密に連携していくことが確認された。尖閣諸島については、小野寺防衛大臣から、わが国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らかである旨のわが国の基本的立場を説明し、断固として領土・領海・領空を守り抜く覚悟である旨説明し、ヘーゲル米国防長官からは、同諸島に日米安保条約第5条が適用されること、同諸島をめぐる現状の変更を試みるいかなる力による一方的な行為にも反対する旨の発言があった。
日米防衛協力については、小野寺防衛大臣とヘーゲル米国防長官は、ガイドラインの見直し作業の前提となる両国間の戦略環境認識に関する議論が進展していることを歓迎するとともに、引き続き精力的に議論を行っていくことで一致したほか、ISR作業部会が設置され、日米共同の警戒監視活動等、平素からの協力に関する検討が進展していることを確認した。また、BMD用移動式レーダーのわが国への追加配備について意見交換を行った。
在日米軍再編については、小野寺防衛大臣とヘーゲル米国防長官は、普天間飛行場の移設に関する埋立申請及び嘉手納飛行場以南の土地の返還に関する統合計画の策定が沖縄の大きな負担軽減に向けた重要なステップであることを確認し、引き続き、在沖海兵隊のグアム移転の着実な進展を含め、日米双方が在日米軍の再編を着実に進めていくことで一致した。
また、小野寺防衛大臣とヘーゲル米国防長官は、年内の適切な時期に「2+2」会合を開催し、日米同盟の強化に向けた取組に関して議論を行う方針でも一致した。

日米防衛相会談における小野寺防衛大臣とヘーゲル米国防長官
日米防衛相会談における小野寺防衛大臣とヘーゲル米国防長官
 
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