コラム

<解説> 人命救助における初動(72時間以内)の重要性

東日本大震災において自衛隊が救助できた人数と派遣隊員数

グラフは、東日本大震災における人命救助者数の推移を表したものである。救助できた人数は、時間と共に低下していき、概ね発災から72時間が経過した段階で、大きく減少していることが分かる。つまり、発災直後、いかに迅速かつ大規模な人員を人命救助活動に投入できるかで、活動の成否が分かれるといえる。
こうしたことから、平素から地域に密着し、住民と共にある自衛隊が迅速に初動対応できる態勢を保持することが必要である。

駐・分屯地 配置図

例えば、陸自は、何時・何処でどの様な事態が発生しても迅速に初動対応できるよう、地域の特性に応じて全国に158の駐・分屯地(駐屯地131、分屯地27)を配置している。それらを基盤として、災害派遣など各種事態に対応するため、方面隊毎、実動部隊を速やかに派遣できるように待機させている。
こうした待機の態勢などにより東日本大震災においては、地震発生当日から約8,400人の態勢を動員し活動を行うなど、大規模かつ迅速な初動対応を行った。

人命救助を行う陸自隊員
人命救助を行う陸自隊員
 
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