コラム

<解説> 第7師団の協同転地演習と後方支援態勢

第7師団の協同転地演習

第7師団(東千歳)は、11(平成23)年10月29日から12月2日の間、長距離機動に必要な統制・調整能力の向上および西部方面隊と連携した訓練などを通じ、部隊の即応性の向上を図ることを目的に、西部方面区への転地演習を行った。
第7師団が協同転地演習を行うのは、今回が初めてのことであり、北海道から九州までの長距離機動にあたっては、民間船舶(高速輸送船)、鉄道などの各種輸送手段により隊員410名、90式戦車、装甲車を含む重車両など約120両を北海道から九州まで迅速に機動させた。
このような転地演習は、まさに22大綱が示す動的防衛力の構築に向けた重要な取組の1つであり、今後も重視して取り組んでいく。

高速輸送船により輸送された90式戦車
高速輸送船により輸送された90式戦車

島嶼防衛(長距離機動含む)における後方支援態勢

防衛出動や災害派遣などにおいて自衛隊が任務を遂行する際、長距離の移動や、燃料や弾薬、糧食などの大量の物資が必要になる。部隊が活動するための輸送力を確保することや、物資の準備・配分、車両などを整備することを後方支援という。
特に、長距離機動をともなう島嶼防衛においては、自衛隊および民間の輸送力の確保、燃料補給、各種装備品の整備など、後方支援の果たす役割はきわめて重要であり、大規模震災や国際平和協力活動で得た教訓などを反映しつつ、活動する部隊のための後方支援態勢の充実を図ることが必要である。

役務により鉄道輸送される装甲車
役務により鉄道輸送される装甲車
 
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