第II部 わが国の防衛政策の基本と動的防衛力
6 防衛力の能力発揮のための基盤

防衛力の整備、維持および運用を効率的・効果的に行うため、次のような取組を重視することとしている。

1 人的資源の効果的な活用

(1) 隊員の高い士気および厳正な規律の保持のための施策を推進
○ 質の高い人材の確保・育成(社会の少子化・高学歴化と自衛隊の任務の多様化などに的確に対応)
○ 衛生基盤などの整備(隊員の壮健性維持)
○ 安全保障問題に関する研究・教育の推進、知的基盤の充実・強化
○ 過酷または危険な任務の遂行に対する適切な処遇の確保
(2) 自衛隊全体の人員規模および人員構成を適切に管理し、精強性を確保
○ 階級および年齢構成のあり方の見直し
○ 自衛官の職務の再整理(第一線部隊などに若年隊員を優先的に充当、その他の職務について最適化された給与などの処遇を適用)
○ 民間活力の一層の有効活用などによる後方業務の効率化(人員の一層の合理化を進め、人件費を抑制することにより、厳しい財政事情の中で有効な防衛力を確保)
○ 社会における退職自衛官の有効活用、公的部門での受入れを含む再就職援護や退職後の礼遇などの施策の推進、これらと一体のものとしての早期退職制度などの導入

2 物的基盤の充実・強化のための施策

(1) 装備品などの運用基盤の充実
○ 装備品などの維持整備を効率的かつ効果的に行い、可動率を高い水準で維持するなど、防衛装備品の運用基盤を充実
(2) 装備品取得の一層の効率化
○ 契約に関する制度全般の改善や効率的調達方式の一層の採用など、調達価格を含むライフサイクルコストの抑制をさらに徹底し、費用対効果を向上
(3) 防衛生産・技術基盤の維持・育成
○ 選択と集中の実現により安定的かつ中長期的な防衛力の維持整備を行うため、防衛生産・技術基盤に関する戦略を策定
(4) 防衛装備品をめぐる国際的な環境変化に対する方策の検討
○ 平和への貢献や国際的な協力、国際共同開発・生産を取り巻く大きな変化に対応するための方策について検討

3 防衛施設と周辺地域との調和

○ 関係地方公共団体との緊密な協力のもと、防衛施設の効率的な維持および整備を推進するため、当該施設の周辺地域とのより一層の調和を図るための諸施策を実施

 
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