第1節 防衛省改革の背景・経緯など
防衛力とは、国の安全保障を最終的に担保するものであり、その機能は、他のいかなる手段でも代替できない。そして、何よりも国民の強い信頼によって支えられていなければ、その機能を発揮することはできない。したがって、自衛隊員(隊員)は日々職務に精励し、国民の信頼と期待に応えるべく努力を続けている。
しかしながら、近年、防衛省・自衛隊に対する国民からの信頼を揺るがすさまざまな事案が発生した。
そこで、防衛省が抱える問題について、基本に立ち返り、国民の目線に立った検討を行うため、有識者の参加を得て、「防衛省改革会議」(改革会議)が官邸に設置され、07(同19)年12月に第1回会議が開催された
1。改革会議は、11回の会議を経て08(同20)年7月に報告書をとりまとめた
2。
防衛省は、改革会議の報告書(報告書)において示された基本的方向に従い、防衛省における改革を実現するため、同月に防衛大臣を本部長とする「防衛省改革本部」(改革本部)を設置し、同年8月には「防衛省における組織改革に関する基本方針」
3と「防衛省改革の実現に向けての実施計画について」
4(実施計画)をとりまとめた。
この実施計画は、これまで09(同21)年6月と8月の2回にわたり改訂・公表された
5。