1 防空のための作戦
周囲を海に囲まれたわが国の地理的な特性や現代戦の様相
1から、わが国に対する本格的な侵略が行われる場合には、まず航空機やミサイルによる急襲的な航空攻撃が行われ、また、こうした航空攻撃は、幾度となく反復されると考えられる。
防空のための作戦は、初動対応の適否が作戦全般に及ぼす影響が大きいなどの特性を有する。このため、平素から即応態勢を保持し、継続的な情報の入手に努めるとともに、作戦の当初から戦闘力を迅速かつ総合的に発揮することなどが必要である。
防空のための作戦は、空自が主体となって行う全般的な防空と、陸・海・空自が基地や部隊などを守るために行う個別的な防空に区分できる。
全般的な防空においては、敵の航空攻撃に即応して国土からできる限り遠方の空域で迎え撃ち、敵に航空優勢
2を獲得させず、国民と国土の被害を防ぐとともに、敵に大きな損害を与え、敵の航空攻撃の継続を困難にするよう努める。
(図表III-1-3-1 参照)
(1)侵入する航空機の発見
航空警戒管制部隊のレーダーや早期警戒管制機などにより、わが国周辺のほぼ全空域を常時監視し、侵入する航空機などをできる限り早く発見する。
(2)発見した航空機の識別
JADGE
3などにより、発見した航空機が敵か味方かを識別する。
(3)敵の航空機に対する要撃・撃破など
発見した航空機が敵の航空機と識別された場合、航空警戒管制部隊により、地上または空中で待機する戦闘機や地対空ミサイル部隊に撃破すべき目標を割り当て、管制・誘導された戦闘機や地対空ミサイルで敵の航空機を撃破する。