4 武力攻撃事態等に備えた態勢整備への取組
有事法制が成立し、法的な基盤は整ったが、常に変化する安全保障環境に対応するため、法制の実効性の確保と、これにともなう運用面の態勢整備のための不断の努力が必要である。
このため、平素から、安全保障会議のもとにおかれた事態対処専門委員会において、武力攻撃事態やテロ・不審船などの緊急事態への対処などについて検討を行っているほか、武力攻撃事態等への対処措置を行う指定行政機関、地方公共団体および指定公共機関においても、それぞれの役割に応じた計画の策定や、施策・業務への反映が進められている。
政府としても、わが国に対する武力攻撃から国民の生命、身体および財産を守るために行う各種の措置の重要性についてさまざまな機会を通じて啓発に努めるとともに、訓練などを通じて運用面の実効性を検証しながら、武力攻撃事態等に備えた態勢整備に努めている。
09(同21)年10月には、統合国際人道業務訓練を実施し、捕虜取扱い法などに基づく業務要領について演練し、捕虜などの取扱いについての知識、技能の向上を図った。
また、同年11月には、統合幕僚監部の計画により、陸上・海上・航空各自衛隊が実動訓練
13を行い、その機能及び能力を統合して運用する能力の維持・向上を図った。さらに、10(同22)年1月には、日米共同統合演習(指揮所演習)を実施し、わが国防衛のための日米共同対処と周辺事態などの各種事態に対しての自衛隊の対応と日米協力について検証し、練度を向上させ、共同統合運用能力の維持・向上を図った。
参照 4章1節3