1 武力攻撃事態等における対応の枠組
1 武力攻撃事態等への対処
武力攻撃事態対処法
4は、武力攻撃事態等への対処についての基本法的な性格を有している。すなわち、この法律は、武力攻撃事態等への対処に関する基本理念、武力攻撃事態等への対処に関する基本的な方針(対処基本方針)、国・地方公共団体の責務などについて規定している。また、武力攻撃事態等が発生した場合に、関係機関(指定行政機関、地方公共団体および指定公共機関
5)が国民保護法などの個別の有事法制などに基づいて行う対処措置が連携協力して行われ、国全体として武力攻撃事態等への対処に万全の措置が講じられる枠組を整えている。
(図表III-1-1-2 参照)
参照 資料24、
資料25
(1)対処基本方針など
武力攻撃事態等に至ったときは、次の事項を定めた対処基本方針を閣議決定し、国会の承認を求める。また、対処基本方針が定められたときは、臨時に内閣に武力攻撃事態等対策本部(対策本部)を設置して、対処措置の実施を推進する。
1) 武力攻撃事態であること又は武力攻撃予測事態であることの認定及び当該認定の前提となった事実
2) 当該武力攻撃事態等への対処に関する全般的な方針
3) 対処措置に関する重要事項
(2)対処措置
武力攻撃事態等への対処にあたり、対処基本方針が定められてから廃止されるまでの間に、指定行政機関、地方公共団体または指定公共機関は、法律の規定に基づいて、次の対処措置を行う。
ア 武力攻撃事態等を終結させるためにその推移に応じて実施する措置
1) 自衛隊が実施する武力の行使、部隊などの展開その他の行動
2) 自衛隊の行動および米軍の行動が円滑かつ効果的に行われるために実施する物品、施設または役務の提供その他の措置
3) 1)および2)のほか、外交上の措置その他の措置
イ 国民の生命、身体および財産の保護または国民生活および国民経済への影響を最小とするための措置
1) 警報の発令、避難の指示、被災者の救助、施設および設備の応急の復旧その他の措置
2) 生活関連物資などの価格安定、配分その他の措置
(3)国、地方公共団体などの責務
武力攻撃事態対処法に定める国、地方公共団体などの責務は、図表III-1-1-3のとおりである。
6)緊急対処事態(武力攻撃の手段に準ずる手段を用いて多数の人を殺傷する行為が発生した事態または当該行為が発生する明白な危険が切迫していると認めるに至った事態で、国家として緊急に対処することが必要なもの)を含む、武力攻撃事態等以外の国および国民の安全に重大な影響を及ぼす緊急事態のこと。