4 北朝鮮との関係
北朝鮮は、中国にとって「伝統的友誼」関係にあり、北朝鮮が食糧支援やエネルギー供給において多くの割合を中国に依存しているとみられていることなどから、中国は、北朝鮮に対し他の国よりは強い影響力を有すると考えられている
8。中国は、06(同18)年の北朝鮮による弾道ミサイル発射を非難する内容の国連安保理決議第1695号、同年の核実験の際に北朝鮮に制裁措置を課した国連安保理決議第1718号、09(同21)年4月の北朝鮮によるミサイル発射を非難する国連安保理議長声明および同年5月の核実験を受けて北朝鮮に対する追加的な措置を決定した国連安保理決議第1874号に賛成したほか、03(同15)年以来、北京で開催されてきた六者会合で議長役を務めるなど積極的な役割を果たしており、中国が、核問題の解決に向け、積極的な取組を継続することが国際社会から期待されている。
8)核問題については、北朝鮮が米国との交渉を重視しているとみられること、また中国は周辺地域の情勢が不安定化して国内に波及することを懸念して強硬な手段を講じることを逡巡すると考えられることから、中国の北朝鮮に対する影響力には一定の限度があるとの見方もある。