第III部 わが国の防衛のための諸施策 

(VOICE)不発弾処理(沖縄)に従事する隊員の声

第1混成団 第101不発弾処理隊 1等陸曹 緒方 道夫(おがた みちお)

 私は、第1混成団第101不発弾処理隊(那覇駐屯地)で勤務しています。約4年半前に着隊した際は、「青い海ときらめく太陽のリゾート地沖縄」をイメージしていましたが、不発弾処理のための緊急出動を意味する「緊急、緊急、緊急」という叫び声で、ここが数多くの不発弾が発見される場所ということを実感しました。昨年12月に部隊による不発弾処理件数は3万件を超えました。
 私は、処理陸曹兼ねて技術情報陸曹として、沖縄県内で発見された陸上の不発弾処理を行っています。処理現場では、不発弾処理はもとより、事前の準備や、作業の調整、処理に関する安全指導を行うとともに、処理終了後には、常に器材を良好な状態にするための整備などを行っています。また、不発弾処理に資する情報を収集、整理し、資料を充実させ隊員の処理能力向上を図っています。
 私が一番やり甲斐を感じるのは、不発弾の安全化作業を行うときです。安全化とは、発見された場所から移動させることができない、危険な状態にある可能性のある不発弾の信管を、特殊な器材を使用して破壊したり抜き取ったりすることにより、運搬できる状態にすることをいいます。特に、爆弾に装着された信管を無事に抜き取ることができた時の充実感は簡単に言葉で言いあらわすことはできません。避難していた方から「ありがとうございました。」という感謝の言葉をいただいた時は、危険な仕事ですがやっていて本当によかったというやり甲斐を感じます。
 我々は不発弾の危険性を常に念頭におき、県民の安全・安心に寄与するため、日々不発弾を処理する技術の練磨に務め、引き続き迅速・確実な不発弾処理に邁進していきたいと思います。
 
不発弾処理を行う緒方1曹

 

前の項目に戻る     次の項目に進む