第III部 わが国の防衛のための諸施策 

(VOICE)護衛艦で勤務する女性隊員の声

ひゅうが機関士 2等海尉 清 香織(せい かおり)

 04(平成16)年3月、一般大学の文学部を卒業した私は、「普通のOLではできないような経験がしたい!」という動機で、広島県江田島市にある海上自衛隊幹部候補生学校に第55期一般幹部候補生として入隊しました。
 1年間の課程を修業し、引き続く遠洋練習航海から帰国後は、練習艦「やまぎり」水雷士、補給艦「おうみ」通信士、練習艦「かしま」機関士として勤務しました。この間、3回の遠洋練習航海に参加する機会を得て、世界の海を航海しながら実習幹部を教育するとともに、自らの能力の向上に努めてきました。
 昨年11月には護衛艦「ひゅうが」ぎ装員として着任し、艦の機関に関する最終的な調整などに携わり、本年3月18日の「ひゅうが」就役とともに機関士を拝命しました。現在は「ひゅうが」の省人化された新型機関部の運用方法や、火災や浸水などに適切に対応するための艦内防御要領の策定など、艦の早期戦力化のために忙しい日々を過ごしています。
 これらの経験は、まさに普通のOLではあり得ないものであり、私の入隊動機を十分に満足させるものです。
 「ひゅうが」は、初めて女性自衛官が配置された護衛艦であり、私を含め約20名の女性自衛官が乗り組んでいます。これまでも練習艦、補給艦などには女性自衛官が配置され、男女とも同じ勤務環境のもと、同等の職務を与えられてきました。護衛艦での勤務は、女性としては体力的に厳しいときもありますが、これまで女性が配置されてきた艦艇と異なることはなく、女性自衛官も男性自衛官も区別なく、乗員全員が任務を完遂できるように努力しています。
 今回の「ひゅうが」への女性自衛官乗組みを契機に、今後、女性の艦艇勤務希望者が増え、活躍していくことで、海上自衛隊のマンパワーの確保にも貢献できるものと確信しています。護衛艦乗組みの女性自衛官のさきがけとして自己研鑽を重ねるとともに、男性と女性が快適に職務を遂行できるような職場環境作りにも尽力し、今後入隊する女性自衛官がさまざまな配置でその能力を最大限発揮できるよう貢献していきたいと思います。
 
操縦室で勤務中の清2尉

 

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