第III部 わが国の防衛のための諸施策 

(VOICE)新隊員の声(海自任期制自衛官)

しまかぜ船務科 1等海士 烏山 正志(からすやま まさし)

 私は、昨年3月に佐世保教育隊第348期練習員として入隊し、現在は、第1護衛隊群所属の護衛艦「しまかぜ」に乗り組み、通信員として勤務しています。
 私が海上自衛隊に入隊した動機は、自衛隊が災害派遣や国際平和協力活動などで活躍している姿をテレビや新聞等を通じて知り、隊員の姿に憧れをもち、「自分もわが国や社会のために働きたい。」と思ったからです。
 入隊当初はさまざまな不安がありましたが、最大の不安は、あまり泳げなかったということです。大海原を職場とする海上自衛官は、ある程度泳げることが必要だからです。案の定、初めて実施された水泳能力測定では、基準に到達することができず、水泳能力を向上させることが、教育隊での私の1つの大きな目標となりました。それからは、訓練中はもちろんのこと、課業終了後や週末に、教官や班長の指導、同期の支援を得ながら自主トレーニングを一所懸命に行い、練習員課程修業までに基準に到達することができました。このことにより、同期の大切さを実感するとともに、「絶対にできないということはない。自分の努力次第で成し遂げられるのだ。」という自信が持てるようになりました。
 「しまかぜ」に乗り組んでの初めての出港では、4,000トンを超える大きな艦が、まるで木の葉のごとく揺れているように感じられ、「お約束」のとおり、激しい船酔いにかかりました。何度もトイレに駆け込む日々が続き、こんな状態で護衛艦乗りとしてやっていけるのかと不安になりましたが、出港を重ねるにつれ、驚くほど艦内での生活にも慣れ、船酔いも克服することができました。当初は不安だった艦艇勤務ですが、今年2月には、初めて外洋練習航海に参加し、東南アジア方面を歴訪する貴重な経験ができ、自らの成長を実感することができました。
 まだまだ護衛艦乗りとしても通信員としても未熟な私ですが、自らの職務に誇りを持ち、一日も早く立派な海上自衛官としてわが国や社会のために貢献する仕事ができるように頑張りたいと思います。
 
艦橋の通信機器を調整する烏山1士

 

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